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【ECB国債利回り上限設定か】独シュピーゲル紙報道に期待高まる。ECBの戦略ハッキリ、欧州首脳からはビジョン見えない。

20120820Lユーロドル日足チャート 20120820外為オンライン
20日の東京株式市場は小幅続伸、週末に独シュピーゲル紙が「ECB国債利回り上限設定」との報道が好感されスペイン10年債利回りは低下しています。欧州債務問題に関してECBの戦略はハッキリ伝わってくるものの、欧州首脳の債務問題解決へのビジョンは全く見えない中で「一服しているからリスクオン」という消極的な展開が続いています。シュピーゲル紙報道はともかく、ECBが現在取っている戦略のポイントは「スペインの全面支援は避けたいがモラルのない支援はしたくない」というのが大前提。国債購入と引き換えに緊縮財政などの約束をしたうえで「支援要請させること」を狙っています。対して危機的状態が迫っているスペインは、その約束なしに助けてほしいため「銀行支援」は要請するが全面支援はなかなか要請してきません。

伊モンティ首相は、スペインのとばっちりで自国の調達コストがセットで上がっているので再三スペインに全面支援を要請するよう促しています。モンティ首相としてはスペインが救済の条件を受け入れて全面支援となれば、イタリアは何も制約を課されずに漁夫の利となるかもしれないですから当然です。それでもスペインは全面支援を要請する姿勢は見せていません。このまま行けばECBの戦略は失敗に終わる可能性も残されており、時間が経てば投資家は懸念を強めそうです。欧州首脳は自国が損をしないためだけに動いており、税金投入→支持率低下だけが彼らの関心事。債務問題根本解決への道筋は誰も示さず、何のビジョンも見えないまま何年も経ちます。ECBの国債購入は対処療法であることは明らかで根本解決は通貨だけでない「ユーロ圏統合深化」と決まっています。現状はECBの国債購入だけで「なんとかなりそうだ」くらいの雰囲気になっているのがとてもきな臭いところです。    

※当ブログの見解は、あくまでも管理人ZEROの個人的な見解です。最終的な投資判断は、必ずご自身で行って頂きますようお願い申し上げます。

Posted bydaytraderzero